(インタビュー実施:2005年)
- 山口
- 蛍光灯から音が出ることに気づいたのは、そもそも何がきっかけだったのですか。
- 伊東
- 中学の時は、よく深夜放送なんかを聴いていたんですけど、自分の部屋に蛍光灯があって、ラジオを聴いている時にその明りを消すと、ラジオが反応してプチっとなるんですよ。蛍光灯に反応して音が出るというのが面白くて、部屋の明りをつけたり消したりしてラジオに反応させて遊んでましたね。蛍光灯の発光にともなう放電ノイズがラジオの電波にのって鳴る音ですけどね、蛍光灯そのものの音というよりは。
- 山口
- 深夜ラジオというとオールナイトニッポン?
- 伊東
- オールナイトニッポンも聴いてましたけど、音楽的な影響は渋谷陽一のサウンドストリートですかね。パンク、ニューウェイブ好きの嫌な中学生~高校生でしたね。その時期は初期のニューウェイヴ系バンドなどが色々出てきた時期とリンクしていたので現役感覚でその辺を聴くことができた。まあ絵を描くのも好きでしたね。だから大学は美大に行ったんですけど。美術より音楽のほうに親しみがありましたね。でも結局、音を出すことも絵を描くことも自分の中ではあまり区分がないかもしれない。
- 山口
- じゃあパンクを聴きながら電気を点けたり消したり。
- 伊東
- 音として聴こえるものと目に見える光の明滅が反応しあってることは理解できてました。もちろん、その頃は自分が今やってるようなこと、まあ言うならば「表現」と繋がるなんてまったく考えもしませんでした。ただ単純に面白がっていたわけです。