第3章
お金より友だちが多い方が幸せ

  • 山口

    他に子育てするときのモットーはありましたか。

  • 浅野

    子供って自分を映してくれる鏡だから。子供たちを見れば自分がわかる、みたいなところあるじゃない。だからおこがましいことは言えないのね。ただ、元気に丈夫に、明るく、近所の人たちに好かれていれば、それで上手くいっちゃうと思うの。私がそうだったから。特別頭がいいわけでもないし、悪いこともさんざんやったし。ほんとうに親不幸もしたからね。でもなんだかんだ上手くいってる。子供もそういうDNAを持っているんだから、世渡りはなんだかんだ上手くできるだろう、と。お金をたくさん持っているよりも、たくさんの友だちがいたほうが、幸せなのかな、と思う。それが子育てのモットーかな。

  • 山口

    そういう考え方はどこから生まれたんでしょう。

  • 浅野

    私には2度目の父親がいたんだけれど、私が中学1年生のときに女性ができて。それで、相手の女性まで家におしかけて来る騒ぎになったのね。「ください」「くださいと言われても」という、目の前ですごい光景が繰り広げられちゃったの。どうしようと思って「お母さんは私が面倒を見るから、もう、お父さんはあげちゃおうよ」と口にしたんだけど、そのときの母は母親ではなく一人の女なのね。で、そのときに「あ、これは母の人生で、私の人生ではないんだ。私も生んでもらったけど、これは私の人生なんだ」と思ったのね。だから母のことも父のことも恨めなかったし、彼女たちにまかせるしかない、自分が出てもどうにもできないこともある、という意識が芽生えてしまったの。小さいときから、そういうドラマティックなことがたくさんあったから、子供を育てるのは楽だったかな。こうしなきゃ、というのはまったくなかったから。すべて見せてた。

  • 山口

    親子でも別々の人生がある、と早いうちに気づかれたから、子育ても、大人になって自立できる手助けをする、という部分だけは厳しく、あとは自由にされたのね。

  • 浅野

    子供が通っていた幼稚園がカソリックの上品な幼稚園だったんだけど、その目の前が森林公園で、環境が素敵だったの。その頃、仕事のように肌を日に焼いていた私にとって、そこはもう楽園で。子供を送ったあとに、友だちとその公園に行って、三角の小さな布きれが三つ、というようなビキニを着て、焼いてた(笑)。で、そこに午後になったら、「あら、朝とはまったく違いますね」と言われるくらいに日焼けして、真っ黒けのヤマンバみたいになって迎えに行って。オートバイでブォーンと友だちに送ってもらうと、「そういうの、困るんですが」って言われたり(笑)。それがうちのスタイル、みたいな感じで、そういう姿も何回も見せてしまっていたから。

  • 山口

    そう、順子さんはとってもオープンですよね。

  • 浅野

    私、風通しがいいんですよ。隠し事がないの(笑)。