第4章
世界を広げた坂東玉三郎との共演

  • 山口

    大太鼓を打つのはやはり一つの到達点になっているのかな、と思うんですが、今、何人くらい大太鼓を叩いているんですか。

  • 叩くのはみんな叩けますけれど、舞台にあがって叩くのは3〜4人ですね。私もやりたいな、とは思っていますけれど、なかなか...。

  • 山口

    ぜひやって欲しいな、と思います。鼓童で女性で始めて大太鼓に向かってほしい。太鼓を叩くための特別な身体づくりとかはされているんでしょうか。

  • 今は全体では特別なことはしていません。走るのも人それぞれで、私は走るのが苦手なんですけれど。ツアーじゃないときには、腕立てや腹筋もしますけれど、それは筋トレというよりは、自分の体に対する意識をちょっと意識を変える、というのに近いですね。やはり打つということで、自分を磨いたり、身体を磨いたりしていきます。それが大基本ですから。

  • 山口

    やはり自分を磨くことが一番大切なんですね。磨きながら、今はとにかくツアー、ツアーで回られていらっしゃるんですよね。

  • そうです。たとえば今は13人が関東近辺を回っていて、残りの6人くらいが「交流公演」といって中学生と交流する公演をしていたり。別のメンバーがソロ活動をしていたり。

  • 山口

    それから海外公演も。

  • はい。「ワン・アース・ツアー」と呼んでいます。

  • 山口

    2003年には坂東玉三郎さんがプロデュースされた大きな舞台があって、確かNHKのドキュメンタリー番組としても放映されていましたね。

  • 「鼓童ワン・アース・ツアースペシャル」ですね。あのときは公演までの2年間、5回ほど一緒に稽古をしながら舞台を作りあげていったんです。じつは、それまで「太鼓しか叩きません」というのを一回、取り払ってくれたのが玉三郎さんなんです。それまで私は法被を着て男の中に混ざっているだけだったんですが、それ以来、女性と一緒にちょっと踊ったり、歌を歌ったり、女的な役割をすることも増えたんです。

  • 山口

    玉三郎さんは厳しかったですか。

  • あたりは柔らかいんですが、言うことが一つ一つ...ズバリ的確で。胸にストンと落ちるような、ほんとうに的を射ているようなことばかり指摘してくださいました。

  • 山口

    あの作品の再演はしないのですか。もう一度見てみたいのですが。

  • あれは鼓童のメンバーが総出演したすごくスペシャルな作品なので、あのプログラムをそのまま演ることは難しいですね。また取り上げることのできる演出家がいればその可能性もあると思いますけれど。あの頃とはメンバーも替わって、今はいないメンバーもいますし。