インタビューを振り返って

インタビュー記事を再読させていただき、あの頃なりに必死だった20代の自分を久しぶりに思い出し、恥ずかしさでいっぱいです。

お二人にお会いしたのは短い時間でしたが、とても鮮烈な印象が今だ残っております。
小夜子さんの指先に誘われて揺れる空気、ファインダーがまるで由利子さんの眼光かのようにまっすぐと見つめられた感覚、なんだか、どこの場所でもないような不思議な時間でした。

あのインタビューの数年後、私は出産を機に退団し、ベルギーを拠点に活動しております。
自由個人主義であるこちらでの環境もあり、今は当時のようにグループ、女性といった概念からはかなり解放されましたが、ベルギーという多種多様な人々が暮らす環境の中で、自分が日本人、アジア人であるということを強く感じさせられる日々です。
そして、民族、宗教、文化、言葉の違いによって混乱している状況を目の当たりにする日常は、自分が自分の立場から何をどう発信していくべきかということに迫られます。
私からは皮膚のように剥がせない”日本”ではありますが、そのカタチはあまり意識せず、とにかく、人々が何百年と歌い叩き繋いできたリズムと、動物、木の命を頂いて作られた太鼓の響き、そして自分に内包する”命の迫力”とが重なったうねりを大切に、空洞にした自分の感覚と響きの行方を頼りに演奏しています。
それは、まさしく体に刻まれた蒙古の記憶を聞いていることなのかもしれない、とお二人が掲げてくださった『蒙古斑革命』を振り返り、改めて感じている今です。

あの時に、お二人に出会えてよかった。

小夜子さん、私、今は大太鼓も叩いています!
きっと届いていますでしょうか。

2019年12月
堀つばさ